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 八木澤商店の河野会長からお話を聞かせて頂きました。

河野会長は、この日も取材があり忙しいようでしたが、1時間半ほどお付き合い頂きました。

河野会長のお話に、社員さんも釘付けです。

やはり「現地を直接見る事」「被災者から直接話を聞く事」に勝るものはありません。

私も社員さんも、涙が止まりませんでした。

 河野会長は『一社もつぶさない、つぶさせない』を合い言葉に、岩手同友会のメンバーを中心に震災の復興に取り組んでいる地域のリーダです。

八木澤商店は、社員以外のすべての財産を失いました。

しかし「一番の宝は社員」、現在も社員を一人も解雇せず営業を続けています。

このパワーはどこから来るのでしょう。

人間の力強さを感じると同時に窮地に立たされた人間の生きる事への執念みたいなものを見た気がしました。

 被災後河野会長の頭には、「廃業」の言葉がよぎったそうです。

しかし営業を続けることにこだわったのは、息子さんでした。

それも「誰一人解雇しない!」「二人の新規採用予定者も採用する」と言い張り、河野会長を説得しました。

全社員を集めた2011年4月1日の入社式ではその宣言をされると共に、社長に就任したそうです。

現在、会社の再出発に向けての準備、地域の再生に向けてのボランティア、そして同業者から卸してもらった味噌・醤油などの商品の販売をして営業を続けています。

 しかし悪い話ばかりではありません。

最近技術研究所で八木澤商店の麹が見つかったそうです。

二年後には、今までと同じ商品が販売されるそうです。

その時は是非食べてみたいものです。

 会長は「今、どうにか前進出来るのは、皆さんのおかげです。

多くの人達に助けて頂きやっとここまで来ました。本当にありがとう御座いました。」と言われました。

しかしこれも、地域を大事にし、社員を大切にする八木澤商店の社風がなせる技、唯々頭の下がる思いがしました。

これは八木澤商店の経営理念です。

この理念を書いた看板は、被災地で使っていたものです。

現在、八木澤商店は新しい工場を建設する準備が進んでいます。

しかしこれだけ進んでいる被災企業は、ほとんどありません。

現在一関市の作業場で箱詰め作業がなされています。

あと2年ほどすると美味しい商品が沢山出てくるでしょう。

今回の研修はとても参考になりました。

我が社も皆で力を合わせて頑張っていきます。

これからもよろしくお願いします。