
【四 アジア太平洋の世紀を開く外交・安全保障政策】
2(近隣諸国との2国間関係の強化)
近隣諸国との2国間関係の強化を同時並行で進めることがわが国外交の基礎体力を高めます。
米中だけでなく、韓国、ロシア、インド、オーストラリアなど主要各国の首脳と個別に会談し、個人的な信頼関係を築きながら、北方領土問題など各国との懸案の解決を図りつつ、関係の強化に努めます。
日米同盟は、わが国の外交・安全保障の基軸にとどまらず、アジア太平洋地域、そして世界の安定と繁栄のための公共財です。21世紀にふさわしい同盟関係に深化・発展させていきます。
普天間飛行場の移設問題についても、日米合意を踏まえ、引き続き沖縄の皆様の声に真摯(しんし)に耳を傾け、誠実に説明し理解を求めながら、沖縄の負担軽減を図るために全力で取り組みます。
アジア太平洋地域での安定と繁栄は、中国の建設的な役割なしには語れません。日中両国の「戦略的互恵関係」を深めていく方針を確認しながら、その内容をさらに充実させ、地域の安定した秩序づくりに協力を深めていきます。
国交正常化40周年の機を捉え、人的交流や観光促進を手始めに、さまざまなレベルでの対話や交流を通じて、互恵関係を深化させていきます。
北朝鮮の動向については、情勢変化を冷静に見極め、関係各国と緊密に連携しつつ、情報収集を強化し、不測の事態に備えて、引き続き万全の態勢で臨みます。
拉致問題は、被害者全員の一刻も早い帰国を実現するため、政府一丸となって取り組みます。
日朝関係については、引き続き日朝平壌宣言にのっとって、核、ミサイルを含めた諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を図るべく努力していきます。
イランの核問題について、平和的・外交的な解決に努力することを基本とし、原油市場や日本経済への影響なども総合的に勘案しつつ、各国と連携して適切に対応いたします。
消費者行政に万全を期すとともに、テロやサイバー攻撃、大規模自然災害、国内外の重大事件・事故など、国民の生命・身体・財産を脅かす緊急事態については、常に緊張感と万全の備えを持って危機管理対応を行います。