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今日から野田首相の所信表明演説をまとめてみます。

一 はじめに

政治に求められるのは、いつの世も、「正心誠意」の四文字があるのみです。

私は、国民の皆様の声に耳を傾けながら、自らの心を正し、政治家としての良心に忠実に、大震災がもたらした国難に立ち向かう重責を全力で果たしていく決意です。

大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故は、被災地のみならず、日本全国に甚大な影響を与えています。

日本の経済社会が長年抱えてきた課題は残されたまま、大震災により新たに解決が迫られる課題が重くのしかかっています。

国難を生きる私たちが決して忘れてはならないものが、大震災の絶望の中で示された日本人の気高き精神です。

被災地の至るところで、自らの命さえ顧みず、使命感を貫き、他者をいたわる人間同士の深い絆がありました。

彼らが身をもって示した危機の中で「公」に尽くす覚悟、そして、互いに助け合いながら、寡黙に困難を耐えた数多くの被災者の方々、日本人として生きていく「誇り」と明日への「希望」が、ここに見出せるのではないでしょうか。

忘れてはならないものは、原発事故や被災者支援の最前線で格闘する人々の姿です。
マスクと防護服に身を包み、被曝と熱中症の危険にさらされながら、事故収束のために作業を続ける方々がいます。そして自らが被災者の立場にありながらも、人命救助や復旧、除染活動の先頭に立ち続ける方々がいます。

私たちは、激励と感謝の念とともに、こうした人々にもっと思いを致す必要があるのではないでしょうか。

忘れてはならないものがあります。「福島に生まれて、福島で育って、福島で働く。福島で結婚して、福島で子どもを産んで、福島で子どもを育てる。福島で孫を見て、福島でひ孫を見て、福島で最期を過ごす。それが私の夢なのです。」これは、被災者、とりわけ福島の方々の抱く故郷への思いです。

大震災後も、世界は歩みを止めていません。そして、日本への視線も日に日に厳しく変化しています。

日本人の気高い精神を賞賛する声は、この国の「政治」に向けられる厳しい見方にかき消されつつあります。

「政治が指導力を発揮せず、物事を先送りする」ことを「日本化する」と表現して、やゆする海外の論調があります。

目の前の危機を乗り越え、国民の生活を守り、希望と誇りある日本を再生するために、今こそ、行政府も、立法府も、それぞれの役割を果たすべき時です。

頑張ろう ニッポン!!!