
(「一人ひとりを包摂する社会」の実現)
人は、悩み、挫け、倒れたときに、寄り添ってくれる人がいるからこそ、再び立ち上がれるのです。
我が国では、家族や地域社会、そして企業による支えが、そうした機能を担ってきました。
それが急速に失われる中で、社会的排除や格差が増大しています。
老若男女を問わず、「孤立化」する人々が急増しています。
従来のしがらみからの解放は、強者にとっては自由を拡大するものかも知れませんが、弱い立場の人にとっては、孤独死で大切な人生を終えてしまうおそれがあるのです。
私は、湯浅さんたちが提唱する「パーソナル・サポート」という考え方に深く共感しています。
様々な要因で困窮している方々に対し、専門家であるパーソナル・サポーターが随時相談に応じ、制度や仕組みの「縦割り」を超え、必要な支援を個別的・継続的に提供するものです。
役所の窓口を物理的に一カ所に集めるワンストップ・サービスは、今後も行う必要がありますが、時間や場所などに限界があります。
「寄添い・伴走型支援」であるパーソナル・サポートは、「人によるワンストップ・サービス」としてこの限界を乗り越えることができます。
こうした取組により、雇用に加え、障がい者や高齢者などの福祉、人権擁護、さらに年間三万人を超える自殺対策の分野で、様々な関係機関や社会資源を結びつけ、支え合いのネットワークから誰一人として排除されることのない社会、すなわち、「一人ひとりを包摂する社会」の実現を目指します。
公共的な活動を行う機能は、従来の行政機関、公務員だけが担う訳ではありません。
地域の住民が、教育や子育て、まちづくり、防犯・防災、医療・福祉、消費者保護などに共助の精神で参加する活動を応援します。
がんばれ ニッポン!!!