
内容は若干省略する。
鳩山政権の対米外交が試されている。
藤崎駐米大使がクリントン国務長官に呼びつけられて注文をつけられた事だ。
これについて、正しい解釈と今後の見所のポイントを書いてみる。
誰も書けない、書こうとしない真実を衝く。
なぜこの様な話がメディアの知るところとなったかがポイントである。
通例は大使が呼び出されたなどということはメディアの知るところではない。
メディアがそれを見つけたらスクープとして流す。
しかし今回は一斉に報道した。
誰かがメディアに流したのだ。
このような事実がメディアに流される事は鳩山外交にプラスにはならない。
そんなことは馬鹿でもわかる。
それでは藤崎大使や外務官僚が鳩山政権に反旗を翻したのだろうか。
米国の手先になって動いたのだろうか。
米国の脅しを誇張し、鳩山政権や国民に圧力を加えるため動いたのか。
それをメディアと結託して行ったのか。
自民党に鳩山政権攻撃の材料を与えるために。
そう思わせるフシがないではない。
たとえば、岡田外相や鳩山首相(平野官房長)が東京で発表する
前に藤崎大使が現地で発表していることだ。
しかも藤崎大使みずから、クリントン国務長官に呼び出されるのは異例なことだ、と話している。
こういう発想をするのは外務省しかない。
もっとも、これは語るに落ちる言葉である。
日本の大使が任国の外務大臣に呼ばれる事が異例だと認めるのは、いかに日本が任国に軽視されているか認める事である。
いかに自分が任国政府に食い込んでいないか、恥をさらすようなものである。
まさか、はじめてクリントン国務長官とサシで話ができた事がうれしくて、メディアに宣伝したかったのではないかと勘ぐったりしたくなる。
それにしても、権力に臆病な藤崎大使や外務官僚が、鳩山民主党政権に打撃を与えるような事を独断でするだろうか。
元同僚である私には、とてもそうは思えない。
この藤崎大使の言動に対し、岡田外相も鳩山首相も特段に怒っている風ではない。
織り込み済みのような反応である。
もし藤崎大使が自分たちに知らせずにこのような発表を現地でしたのなら、私が外相や首相であれば即座に更迭である。
その一方で、もし鳩山政権がこの藤崎大使の言動を事前に報告を受けていて、それで問題意識もなくメディアに流すことを命じていたり、許していたりしていたとすれば、鳩山首相、岡田外相の政治的センスのなさは絶望的だ。
外務官僚の言いなりになっているという情けない状態だということだ。
そう思っていたら、テレビで仰天のニュースが飛び込んできた。
米国政府の報道官が、クリントン国務長官が呼びつけたのではない、日本の大使が説明に立ち寄ったのだ、とわざわざ説明している。
誤解されてはたまらない、といわんばかりだ。
一体どうなっているのか。
もし藤崎大使が嘘を言って日本の国内世論を誤誘導したとすれば、それこそ直ちに更迭ものである。
結論から言えば、鳩山政権は腰砕けになるだろう。
彼らには日米同盟の将来に対する確固とした考えはなさそうだ。
米国を不快にさせてまでも正しい日米関係を構築しようという意思も能力も覚悟もない、というのが私の見立てだ。
その事は、12月23日の新聞報道を見れば明らかだ。
一つは12月23日の読売新聞の記事である。
鳩山首相は22日の夜、首相官邸で次のように記者団に語ったという。
「岡田外相のもとに有識者委員会をつくって議論している。今回の話も当然そこで議論して、結論をいただくことにしたい」
これほど重要な問題を、有識者委員会に丸投げする態度には驚くばかりであるが、より深刻なのは有識者会議の顔ぶれだ。
座長の北岡伸一東大教授をはじめ坂元一哉阪大教授など、自民党政権下で重用されてきた御用学者、対米従属学者が、政権交代後も鉄面皮のごとく使われている。
他にもあまた有為な学者、有識者がいるはずなのに、旧政権に忠誠を尽くしたような者ばかりを新政権下の有識者会議に委ねるところが、岡田・鳩山政権の限界である。
そして12月23日の産経新聞を読んで驚いた。
自らの外交ブレーンとメディアで書きたてられている寺島実郎日本総合研究所長が反米過ぎると米国に敬遠されたからといって、鳩山首相は今度は知米派の岡本行雄氏へ乗り換えを模索しているというのだ(12月23日産経)。
私は理解不能である。
天木 直人
やはり政治は怖い?
私たちには、「真実が伝わってこない」。
最近多くの人から「政府を信じるな」と助言される。
近頃「そうだなー」と思う事がたびたびある。
しかし、その前に「信じられる政府になってほしい」と思う私は、やはり甘いのだろうと感じている。
この記事も「正しいかどうか」いささか疑問ではあるが、私たちは多くの情報から真実を見つけ出し、正しい判断が出来る能力を身に付ける事が大事だ。
がんばれ ニッポン!!!