海神ポセイドン像
9ac1b5ee.jpg今日は、ルーブル美術館彫刻「男性像における包茎問題」についての中間報告です。

旅行報告の中で、「男性像の彫刻は全て包茎だ」と書きましたが、このことに興味を持って調べた方が何人かいました。

今日は、その方々の調査報告です。


*Aさんの報告

私もこの件に興味を持ったので調べました。

古代ギリシア人は割礼の習慣がなく、包茎が一般的な肉体の描写として採用されていたそうです。

割礼を行うエジプト人は野蛮な民だと考えており、あえて包茎を誇示しています。

ルネサンス彫刻は古代ギリシアの古典彫刻の影響を深く受けていますから、レプリカが包茎なのも当然ですよね。

古代ギリシアでは生殖器は包茎で小さいほうがよいとされていたんだそうです。

短小包茎=かっこいい、おしゃれ、見栄えがいいってことなんだそうです。

だから、みんなちっちゃいですよね・・・正直。

まさに時代とともに美の観念って変わるものなのです。


*Bさんの報告

短小包茎は、「かっこいい、おしゃれ、見栄えがいい」というより、やっぱり、なんというか、「品がいいというか、知的というか、理性的というか、」そういうことじゃないかと思うんですね。

別な言葉で言うと「野蛮でないというか、文化的というか。露骨よりいいというか」そんなことでしょうか。


*Cさんの報告

世界という大きなことを交えて、包茎についてお話をする上で、ユダヤ教やイスラム教などの「割礼」を外すことはできません。

これは、神と契約を結ぶ証といった宗教上の理由のみの説と、それに加えて包茎などから清潔さを守るための理由も含まれる説の、2つがあります。

さて、この割礼ですが包皮の一部を切除することを言い、ユダヤ教では生まれてから8日後、イスラム教では1週間〜12歳の間(平均7歳)に行なわれています。

宗教と関係なく包茎を防ぐ理由だけで行なわれる、このような行為は割礼とは言いません。

割礼から宗教的な観点を外すと、現在の包茎手術と似ているように見えることから、包茎人口を考える材料となります。

アメリカやフィリピン、アフリカなどで行なわれているようです。

南アフリカは独自に脱包茎といった文化が生まれたことから、自分で手術をされる方もいます。

文化なので他が言うことではありませんが、死亡や大怪我が後を絶たないほど危険な行為になっています。

これまで紹介した割礼を行なう、また広まった国は言うなれば、「包茎手術を容認する国」と考えられるのではないでしょうか。

では、包茎手術に否定的な国はあるのか?ということですが、ヨーロッパは多くの国が「NO」です。

自分の体を手術する・・・「生まれたままの姿でいいじゃない♪」という概念があります。

なので、馴染みのない割礼は、野蛮なものとされています。

ヨーロッパでは包茎を治療するという意識がなかったので、絵画・彫刻など男性の裸体をモチーフにしている作品は、包茎で描かれています。

包茎であることに問題はありませんが、医学的な知識が伝わるにつれ衛生面での取り組みが、行なわれるようになりました。

同じ地球に存在しながら、文化の違いで包茎への考え方が異なるのは、興味深いものです。

これまで割礼、包茎手術に関して話してきましたが、1番多く包茎手術がされている国をご存知でしょうか?それは韓国です。

整形が広く伝わっていることは有名ですが、包茎の手術に関しても広まっているようです。

そもそもは朝鮮戦争時に連携していた、アメリカ軍から伝わったとされていますが、韓国の文化と合わさり今では、人生儀礼的なものになっています。

広まりの大きさを現すものに生まれた子供の数より、多い数の手術が行なわれた年代があったほどです。

包茎に対する考え方などから、各国を大きく見てきましたが、包茎手術を容認のアメリカでは今までにない運動が起こりました。

「包茎を返してほしい」といった運動です。

包茎でない通常の亀頭が出ている形では、徐々に亀頭の皮も成長し厚くなっていきます。
そうすると、刺激に強くなります。

それでは「SEX時に快感を得にくい」ということで、包茎を返してほしい、といった運動が起こったようです。

幼少期に包皮を切除することが、医学的にあまり根拠のないこと、という報告を受けてのものだとも思えます。

しかし、2006年にはHIV感染防止に有効とのことから、手術を推奨する病院も出てきました。

様々な情報から揺れる包茎事情ですが、今後の動向が気になります。

こうやって包茎について世界を見てきましたが、日本で悩みの種となることの多い見た目などからくるコンプレックスは、あまり無いように感じました。

包茎文化は深いものです。


こんな報告がありました。

総合的に判断すると、どれも納得できるものです。

こんな考えから、包茎の彫刻が多いのでしょう。

なんにでも関心を持つ事は、本当に大事だと思いました。

また機会があれば、続きを報告します。