
皆さんに参考になればと思い書きます。
「この子を産んだら」
N・S(30歳)
私は、小・中学校時代、いじめにあい、大変苦しい思いをしました。
共働きの両親は、私の寂しさを紛らわせようと、望むものは何でも買ってくれ、何をしても叱ることはありませんでした。
しかし独りぼっちのつらさはつのるばかり。
「どうして私だけがこんな目に遭うの、なぜ私を生んだの」
何度も、母の胸を叩いたものです。
循環器系が悪い母は、美容師の仕事の合間に病院へ通っていました。苦しい時も、私の前ではいつも微笑えみ、
「我慢して頑張れば、必ずいいことがあるから」と励ましてくれるのですが、私は落ち込む一方でした。
ある時、いつものように遅い両親の帰りを待ちながら、
「このまま死んでしまいたい」
と叫ぶと、側にいた祖母が、たまりかねて言ったのです。
「お母さんがどんな思いで、産んでくれたと思っているの? お母さんはね、お前を身ごもった時、お医者さんから、『この子を産んだら、あなたは一〇〇%死にます。いいのですか。まだ遅くはありません』と言われ続けていたんだよ。それでも最後まで、『死んでもいいから産みます』と言って産んでくれたんだよ」
大変なショックでした。
世の中には、都合でわが子を殺す親さえいるのに、なぜそこまでして … 。その夜、母に尋ねました。
「どうして、今まで言ってくれなかったの」
相変わらず母はほほ笑んで、
「いま、あなたが元気なら関係ないことだからよ。あなたもお母さんになれば分るよ」
と言うばかり。
一体どんな思いで出産に踏み切ってくれたのか。生まれてくる私の命に人生のすべてを懸けてくれた母。そう知らされた時、胸が詰まり、かけがえない命を、なんと粗末にしていたのかと、反省せずにおれませんでした。
私たちは、必要とされているからこの世に生を受けたのです。
大事に生きましょう。
そしてやさしく!
がんばれ 社員!!!